こんにちは、クレヨンシェルフです。
絵本の読み聞かせは、子供の発達において非常に重要な役割を果たします。しかし、多くの親は「いつから読み聞かせを始めるべき?」について疑問をもっています。
本記事では、絵本の読み聞かせを始める最適な時期と、そのメリットについて詳しく解説します。
絵本とは何か?
絵本は、絵と簡単な文章で構成された本で、特に幼児や子供向けに作られています。代表的な絵本には「はらぺこあおむし」や「ぐりとぐら」などがあります。
絵本の読み聞かせのメリット
- 認知発達の促進
絵本を通じて子供は新しい概念や言葉を学び、認知能力が向上します。 - 言語スキルの向上
繰り返し読み聞かせることで、子供の語彙力や発音が改善されます。 - 情緒と社会性の発達
物語を通じて感情の理解や他者とのコミュニケーション能力が養われます。
絵本の読み聞かせはいつから始めるべきか?
専門家によると、絵本の読み聞かせは生後すぐに始めても問題ありません。早期からの読み聞かせは、子供の全体的な発達に大きな影響を与えることが研究で示されています。
0~6ヶ月の赤ちゃんへの絵本の読み聞かせ
この時期の赤ちゃんは、言葉の意味は理解できなくても、声のトーンやリズムを楽しむことができ、言語習得の基礎を迎えます。
とくに母親の声に対して心拍数が安定するなどの反応を見せます。周囲の音や声に耳を傾けることで、言語のリズムやイントネーションを学び、繰り返される単語を真似し始めます。
この時期の絵本の読み聞かせでは、柔らかい声で話しかけるように読み聞かせをすることで、安心感を与えることができます。
6~12ヶ月の赤ちゃんへの絵本の読み聞かせ
この時期の赤ちゃんは、「パパ」「ママ」などの言葉を発するようになることからも、周りの言語を聞き分けて、言語をアウトプットする段階にはいります。
とくに、色鮮やかな絵やシンプルなストーリーに興味を示すようになります。
ページをめくる動作や指差しをしながら読み聞かせると、視覚と聴覚の発達を促進できます。
1~3歳の幼児への絵本の読み聞かせ
1歳を過ぎると、特定の単語の意味を理解し始めます。例えば、「ママ」「パパ」など、日常的に聞く言葉に反応します。また、1歳半〜になると、日常生活の中で頻繁に使われる単語やフレーズを理解し、指差しやジェスチャーで反応するようになります。
この頃の子供は、より複雑な物語やキャラクターに興味を持つようになります。
インタラクティブな読み聞かせ(例えば、質問を投げかけたり、キャラクターの声色を変えたりすること)を通じて、物語に対する理解を深めることができます。
いつまでに絵本の読み聞かせを始めるべき?
絵本の読み聞かせを始めるのに、早すぎて問題が生じることはありません。一方で、絵本の読み聞かせを「いつまで」に始めるかについては、ある程度の差異が生じるようなので、注意が必要です。
研究が発見した言語習得の分水嶺「3→4歳」
当研究にあたったのは、1960年、児童心理学者であった、ベティ・ハートBetty Hartとトッド・リズリーTodd Risleyです。
彼らはまず、貧困層の子供たちの成績を向上させるために語彙力強化プログラムを実施しました。しかし、期待された成果を得ることはできませんでした。
このプログラムは、幼稚園に入る前の4歳児に対して本の読み聞かせや言葉を覚えさせるもので、確かに一時的には語彙力を伸ばしましたが、幼稚園に入るとその効果は消えてしまい、プログラムに参加した子供たちと参加していない子供たちの間に差は見られませんでした。
プログラムの失敗した理由
ハートとリズリーはこの疑問を解決するために、「3000万語の格差」研究を行いました。
3000万語の格差の調査概要
・異なる社会経済レベルに属する42家族の子供を、生後約9か月から3歳まで追跡観察
・社会経済レベルは、家族の職業、母親の教育年数、両親の最終学歴、世帯年収で決定
・「社会経済レベル高(専門職)グループ」13家族、「社会経済レベル中」10家族、「社会経済レベル低」13家族、「生活保護グループ」6家族を観察
・語彙の発達に貢献している要素を探るため、「子供がしたこと、子供がされたこと、子供の周りで起きたこと」をすべて記録
・調査期間は3年間
・最初の研究が終わってから6年後に、言語スキルや学校の成績を追跡調査
3000万語の格差の調査結果
この研究で明らかになったのは次のことです。
結果①発達の点では、社会経済レベルが違っても大きな差はなかった
結果②家族間で話される「言葉の数」が、異なる社会経済レベル間で大きく異なっていた
「社会経済レベル高(専門職)グループ」でも「生活保護グループ」でも、親が子供に話す言葉の量にはばらつきがありました。親が多くの言葉をかけた家庭の子供ほど、3歳の時点で語彙数が多いという結果でした。
生後13か月からの3年間に親が子供に話しかける言葉が多いほど、子供の語彙の成長は速く、3歳時点とそれ以降のIQテストの点数も高かったのです。さらに、9歳、10歳時点での言語スキルや学校の成績にも相関がありました。一方で、命令や禁止の言葉は子供の言葉の習得能力を抑えることが分かりました。「ダメ」「それ、やめなさい」といった言葉が子供の発達を大きく妨げていたのです。
子どもの言語習得、IQ、学校の成績に直接影響を与えるのは、家庭の経済状況ではありませんでした。
それよりも、子供にかけた言葉の量、特に肯定的な言葉の量が大きな影響を与えていました。
つまり、裕福な家庭だからといって子供の言語能力が高くなるわけではなく、裕福な家庭では子供に対して肯定的な言葉を豊かにかけていることが多いため、その結果として子供の言語能力が高くなるのです。
3歳までに絵本の読み聞かせを始めよう
上の研究からわかることは、多くの言語に触れさせて、子どもの発達を促したい場合、4歳からでは遅く、3歳まで重要であることがわかります。
絵本の読み聞かせは、親子間での言語のやりとりをする1つのツールといえますので、絵本の読み聞かせの効果を一過性のものでなく、こどもの将来にわたってポジティブに働かせたい場合は、早くから、とくに4歳になる前(3歳まで)に多くの絵本を読んであげましょう。
絵本の読み聞かせの効果を最大化するためのポイント
絵本の読み聞かせの効果を最大化するための3つのポイントを紹介します。
ポイント①:毎日の習慣にする
寝る前の時間を読み聞かせの時間にすると、リラックスして本に集中できる環境が整います。
ポイント②:バリエーションを持たせる
さまざまなジャンルやテーマの絵本を読むことで、子供の興味を広げることができます。
ポイント③:参加型にする
子供がページをめくったり、絵を指差したりするなど、アクティブに参加できるようにすることで、より深い理解と興味を引き出すことができます。
まとめ:絵本の読み聞かせはいつからでもOK、でも3歳までに始めよう
絵本の読み聞かせは、子供の認知、言語、情緒の発達に非常に有益です。生後すぐから始めることで、その効果を最大限に引き出すことができます。親子で楽しみながら読み聞かせの時間を大切にしましょう。
絵本の読み聞かせは、子供の成長にとって非常に重要な活動です。この記事が、親御さんの参考になれば幸いです。